No.71 2022年8月号
あなたの心に浮かぶ大切なことを教えてくださいー。そんな呼びかけに、たくさんの方が応えてくださいました。前号に引き続き、寄稿とインタビューでご紹介します。
(取材:中根佳津子)
新しいものへの飽くなき好奇心 [インタビュー]
今日はこの、家族アルバムを見ていただきたくてね。写真じゃないの。動画なんですよ。
ビデオで撮った旅行の記録を自分で編集して、CDにしているんです。CDの盤面やジャケットにも写真をプリントしてね。動画には字幕をつけたり、画像がカーテンのように両側にさーっと開くようにしたり。編集ソフトの使い方は独学ですが、作業はすごく楽しいですね。
子どもの頃から、手先を使うことが好きでした。中学生の時にはラジオの組み立てをして、人に頼まれて壊れたラジオの修理もしていたんですよ。面白そうなことにはすぐに手を出して、盆栽やらジグソーパズルやら、とにかくいつも手を動かしてきました。
ただ最近は、あまり細かい作業をすると目が辛くなってしまって。だから好きだったジグソーパズルはお休みしています。ボンヤリしていると脳が衰えるから、下の娘が持ってきてくれるナンプレや間違い探しの本を楽しんでいます。できた時の達成感は格別なもの。寝転んだままできるのもいいですね(笑)。
これからも、興味のあることにはどんどん取り組みたいと思っています。好奇心は、私の人生の大切な相棒なんです。
↑編集ソフトを駆使して字幕をつけるなど、映像は本格的。
↑難問、超難問にも果敢に挑戦。お見それしました。
*ご長女より*
若い頃から電化製品や機械いじりが好きだった父。もしコロナがなかったら動画用カメラを研究し、YouTubeデビューをしていたのではないかと本気で思います。スマホは以前からかなり興味を持っていたのですが、90歳のある日、ひとりでショップに出向いて入手。わからないことはヘルパーさんたちに教わり、スマホはコロナ自粛中の家族との連絡に大活躍しました。興味を持ったことに果敢に挑戦する姿には、本当に頭が下がります。
野瀬様
穏やかな日々へ深い感謝の思い [寄稿]
現在私は、アプランドルで穏やかな毎日を送っています。私の母は96歳で生を終えるまで、お隣のシルバーヴィラで満ち足りた暮らしをしていました。義母もやはり、シルバーで安らかな日々を過ごすことができました。
義母がシルバーヴィラに入居したのは、私の友人が編集を担当していた雑誌「女性自身」でシルバーの記事を読んだのがきっかけです。現社長のお母様にお目にかかり、大らかなお人柄に魅せられたのがつい先日のことのようです。義母に続いて母が、そして今は私がお世話になっています。
私たち3人は、本当に恵まれていると思います。日々、感謝の気持ちを大切に抱き続けています。
自由に使えるひとりの時間 [寄稿]
いずれはこのコロナ禍の生活は元に戻るのでしょうから、一時の今の生活は悪くはないと思って過ごしています。
コロナのおかげで暮らしの中には多くの制約がありますが、自分だけのために自由に使える時間を与えられた、と思うのです。今は好きなだけ、ひとりで趣味や読書にひたることができて満足しています。
「ひとり」というとなぜか評価されないことがありますが、今は私にとって満たされた充電期間だと思っています。
寺田様
和智様
知識も会話も広がる動画の世界 [インタビュー]
スマホは以前から使っていたのですが、動画サイトのYouTubeを視るようになったのは自粛生活が始まってからです。
政治に興味があって、関連する動画を視ていたのですが、ある時偶然、カザフスタンの歌手、ディマシュ・クダイベルゲンの動画に行き当たりました。その歌声がもう、すばらしくて! 感動しました。
興味がわいて調べてみたら、音域が6オクターブ半もあるとか、13の言語で歌えるとか、とにかくすごいんです。自分だけの知識にしておくのはもったいないから、いろいろな方にご紹介しました。もっと知りたくなってカザフスタンの地図を検索してみるなど、動画がきっかけで知識もぐっと増えました。
時間があると、ついスマホに手が伸びます。そこで知ったことを友人と話して目を見開かされたり。自分の世界がどんどん広がるのが楽しいですね。
知識も会話も広がる動画の世界 [寄稿]
私は欲張りなのでしょうか。大切なことが多すぎるのです。体調を整えること。家族や友だちと電話で話すこと。朗読で興味のある本の朗読を聴くこと。思い出の品に囲まれていること。どれが一番と決めかねます。
考えた末にたどりついたのが「自律」という言葉でした。残り少ない人生、しかも制約の多い中で、毎日の生活をよりよくするためにできる限り自分を律すること。それが今の私にとって、一番大切なことだと思います。
渡邉様
小川様(奥様)
心穏やかに暮らすための習慣 [寄稿]
住み慣れた愛しのわが家をたたみ、当地に移り住んだと思ったら、落ち着く間もなくコロナ禍へ。子らにも友人にも会えず、気がつけば夫の老いは進み、後を追う八十路の自分がいました。
世はデジタル時代で、スマホやタブレットが使えないと置いてけぼりを喰いそう。なのに、覚えられない!
そんな時、私はいつも母の言葉を思い出してかみしめるのです。
「ものごとに行き詰まってイライラしたり、落ち込んでクシャクシャしたら、冷たい流水で雑巾をゴシゴシ洗ってごらん。ハンカチにアイロンをかけてごらん」
だから、大事な物のしまい場所や暗証番号を忘れた時、連れ合いと互いに言葉が見つからずに会話が滞った時、イラつく自分が情けない夜には、流れる冷たい水で布巾を洗うのです。お金のかからない、簡単で有効な、私のお助け習慣です。
心穏やかに暮らすための習慣 [インタビュー]
若い頃から音楽が好きでした。中でも特に思い入れがあるのは、アメリカ南部で歌い継がれてきた黒人霊歌です。
ゴスペルやブルース、ジャズ、ロックのルーツでもある黒人霊歌が生まれた背景には、奴隷制度の歴史があります。グリークラブで自分も歌っていた大学時代に興味を持ち、卒業後はアメリカ南部で黒人霊歌を研究しました。その成果は本の出版という形で結実し、愛好家の間ではちょっと評判にもなったんですよ。ラジオで黒人霊歌の解説をしたこともあったなあ。
今は、自室で好きな音楽を聴きながら過ごす時間を大切にしています。黒人霊歌のCDはあまりないので、自分で集めた録音を聴いています。音楽に身を委ねていると、旅をした場所の光景が懐かしく思い出されますね。
小川様(ご主人様)
株式会社さんわ
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また読まれた方より「高齢になられても皆さんこんなにも頑張られている。勇気づけられます。」との感想も頂いており嬉しく思っております。
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